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第19回 経済重視へと舵を切る中国

2019年04月19日

習近平政権は、最近まで綱紀粛正&不正撲滅運動を進めてきた。

胡錦涛時代に発生したバブルの後始末のために、国有企業の整理と淘汰を進める必要があった。そのために引き締め政策を維持して、国有企業の経営陣交代や財務体質強化を促すしかなく、企業を甘やかすこととなる財政出動はできなかった。一般大衆は貧富の格差に不満を持っており、綱紀粛正、不正撲滅を徹底することでその不満を解消するしかなかったのだ。

トランプ政権の中国バッシングが強硬になり、米中通商協議は難航している。外部環境は複雑で厳しく、経済には下押しの圧力があという現状認識が強まった。
米中貿易戦争は、1960年代に始まり1990年代まで続いた日米貿易戦争の歴史に鑑みると、長期化する可能性が高い。
日本は、日米貿易戦争に対応するために、対米輸出一辺倒から内需拡大政策を実施した。しかし、人口が1億人程度の市場、かつ、消費嫌いな国民性ゆえに内需は盛り上がらなかった。中国は約14億人の市場規模が大きく、内需拡大の余地がある。

かつての日米貿易戦争は30年以上も続いた

中国は2021年に共産党結党100周年という節目の年を迎える。共産党の一党独裁の正当性を中国国民に受容させるため、経済の発展により国が豊かになるだけでなく、個人にも豊かさを実感させる必要がある。

2018年3月の臨時全人代で、米国的なマーケット自由放任主義への追随に再考することを決めた。以降、習近平の経済政策は変化を見せ始めた。

2018年12月に開催された2019年の経済運営の基本方針を決める「中央経済工作会議」では、「外部環境は複雑で厳しく、経済は下押し圧力を受けている」という現状認識を前面に出し、「財政政策強化」や「庶民層を中心とする減税の実施」など経済政策に軸足を移す方針が明確になった。習近平が国家主席になった時から提唱していた一帯一路(OBOR, One Belt One Road )構想を前倒しし、加速することとした。 米中貿易戦争が一帯一路を加速させる

一帯一路による内需振興およびアジアの国々との貿易拡大は、共産党の存続を賭けた政治的な経済政策である。失敗が許されないため、財政政策は多くの市場関係者の予想を上回る期間と規模になると思われる。

今回のまとめ
トランプ政権の中国バッシングが強硬になったことや、共産党結党100周年の節目の年に国と個人の両方が豊かさを実感できる経済状態にするため、一帯一路構想の加速が決定した。

第20回「金利のトレンドが変わるなら」は、4月26日(金)に掲載予定です。
金利低下のメガトレンドが染みついた現代人には「金利が上がる」という考え方が受け入れられないが・・・

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【コラムのご案内】 投資INSIDE-OUT
2019年04月19日
投資INSIDE-OUT vol.44「成長力評価としての指標~ESG投資③~」

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執筆者プロフィール

春山 昇華(はるやま しょうか)
1978年京都大学法学部卒。87年から英国・ロンドンにて株式と債券による国際分散投資に従事。オフショア登録ファンドでトップの成績を記録。帰国後は、国内系・外資系の投資顧問会社などで年金基金の運用に従事したのち、投信の立ち上げと内外株式のCIOなど多彩な活躍。
個人投資家による投資立国の必要性を感じ、投資知識の普及を目指して96年よりネットで情報を提供する。現在は個人投資家を対象に春山ゼミを主宰するとともに、企業向けのアドバイスも行っている。
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