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どうなる金利と株 リーマンショック後の30年を読む

第27回 金利上昇時の株価の反応(2)

2019年06月21日

前回に引き続き、金利が上昇すると株価が不安定になる要因の2番目「不確実性を上昇させる」について解説する。

金利が上昇すると将来利益に対する不確実性が上昇し、株価評価(PERやPBR)が低下圧力を受けることだ。

第26回は個別企業に着目した解説だが、今回は株式市場全体への影響に関する説明だ。第26回で説明したように、金利の上昇は企業のコストや利益に悪影響を与え、「貸し倒れの増加」を懸念する銀行の貸出審査を厳格化させる。

そのような状態が企業経営者や投資家に伝わると両者とも不安になり、取引先企業、投資先企業の状態に対して疑心暗鬼になる。
そして、経営者は慎重になり、経営計画や業績予想を下方修正する。

過去の株式市場の推移を知る投資家は、金利が上昇すると同時に、業績を下方修正することを即時に認識して、悪化が顕在化する前に売却行動をする。
その状況を世界全体の市場で俯瞰できるのが下図だ。

 【不確実性の関係性】


金利の上昇を反映した朱色の線(=企業の借入金の国債金利に対する上乗せ金利)が上昇すると、株式市場全体を示す青い線は軟調になる。
金利上昇によって企業業績の下方修正が起こるより前から、株価は調整局面に入ってしまうのだ。

株価は例えば、下記のような計算式で見ることができる。
(例)
株価 = 将来予想利益 × PER(株価が予想利益の何倍かという倍率)
株価 =   純資産    × PBR(株価が純資産の何倍かという倍率)

予想業績が変化しなくても、投資家の懸念がPERやPBRという株価評価倍率を引き下げるので株価は下方圧力(=高値を追わず早目に売却行動をする)をうけるのだ。

株価は、過去ではなく将来予想によってプライシングされている。
未来を明るく見るか暗く見るか、将来予想が明暗のどちらに動くか、それらは株価に大きな影響を与えている。

今回のまとめ
金利の上昇は企業のコストや利益に悪影響を与え、銀行の貸出審査を厳格化させる。
企業経営者も投資家も不安になり、取引先企業、投資先企業の状態に対して疑心暗鬼になる。経営者は慎重になり、経営計画や業績予想を下方修正する。
過去を知る投資家は、金利が上昇すると同時に、その後に起こる事を即時に認識して、企業業績の悪化が顕在化する前に売却行動をする。

第28回「金利上昇時の株価の反応(3)」は、6月28日(金)に掲載予定です。
金利が上昇すると株価が不安定になる要因の3番目は・・・

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【前回】  第26回 金利上昇時の株価の反応(1)

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執筆者プロフィール

春山 昇華(はるやま しょうか)
1978年京都大学法学部卒。87年から英国・ロンドンにて株式と債券による国際分散投資に従事。オフショア登録ファンドでトップの成績を記録。帰国後は、国内系・外資系の投資顧問会社などで年金基金の運用に従事したのち、投信の立ち上げと内外株式のCIOなど多彩な活躍。
個人投資家による投資立国の必要性を感じ、投資知識の普及を目指して96年よりネットで情報を提供する。現在は個人投資家を対象に春山ゼミを主宰するとともに、企業向けのアドバイスも行っている。
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