ウィークリーレポート・マンスリーレポート
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等価物々交換時に発生する差額部分の廃棄はもったいない。人間だれしも感じることだ。人類は知恵と工夫で、その問題を解決していく。
海の民:
今日は海が荒れていて魚が7匹しか渡せない。不足分の三匹は次回にお渡しするから、十匹分の肉をいただきたい。
山の民:
了解しました。三匹分は「ツケ」という事にしましょう。
こうやってツケが生まれた。非等価交換を成立させたツケの発明は画期的だった。廃棄物をなくすことで人類の資源の最適配分がステップアップしたのだ。
非等価交換を受け入れた瞬間に、貸し借りの裏付けとなる「信用」が生まれた。次に会う時までの債権債務関係とその背景となる債務者の信用判定という金融の世界が始まったのだ。
「ツケ」の活用によって、差額分を廃棄するという非効率性が是正され、交換経済は拡大に弾みがついた。
ツケは便利だ。
ただし、便利な物を利用するには品行方正な生き方をして相手に信用されなければならない。
継続的な交換経済を続けるコミュニティ内部で信用を得ること、そしてその信用を維持する事の重要性が高まっていった。
相手に継続的な信用を供与する概念や制度が人類の経済生活に確立されていったのだ。現代社会まで続いている信用制度、信用スコアはツケの発明に起因するものだった。
便利な物はどんどん使われる。と同時に別の課題が浮上した。
それは次回のお話
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