ウィークリーレポート・マンスリーレポート
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ツケを使い始めた人類は、その便利さを認識して使う頻度が増加(=経済の活性化)していった。まさにツケの効用ここにあり、といった感じだ。
しかし、継続的に相手に信用を供与する手法が経済活動に組み込まれると、同時に別の課題が浮上した。
「誰にいくらのツケがあるかを、双方がもしくは片方が忘れてしまい、ツケを支払う義務の不履行が発生してしまい争いごとになる」
というリスクを解決する必要に迫られたのだ。
継続的な信用の利用という状態が、信用を記録する必要性を発生させたのだ
何に記録するか(=記録媒体の問題)が真っ先に問題になった。
どういう条件を満たすことが記録媒体に求められたのだろうか?
まずは、一般の人間の目に見えるようなモノ(目視可能)でなければならない。
そして、ツケの量や期日がわかるような仕組み(債権債務の明確化)になっていなければならない。
さらには、その記録媒体を多くの人が見て、「それはツケの記録媒体だ」というコミュニティ内部での共通認識を持てるモノ
(証明力)でなければならない。
様々な媒体がトライされたが、人類が発明した二つの形式を現代の我々は知っている。
1.ツケを明示した巨石
2.ツケを小口化して持ち運べるようにした貝殻、金銀銅
巨石は簡単には動かせない。債務者が石を持ち去ってツケを無しにすることが困難だ。
皆が見える場所に巨石は置かれているので、債権者がツケ(=金融資産)の存在を第三者に公示することができる。
一方、小口化(ユニット化、単位化)された貝殻、金銀銅は、持ち運びに便利だし、遠く離れた第三者のモノ(商品)
と交換することを可能にした。
ツケが記録された媒体は、当初は商品の差分のツケの証明物、交換のためのわき役・サポーターだった。
しかし人類は、媒体自体が価値を持つことを徐々に認識していったのだが
それは次回のお話
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