ウィークリーレポート・マンスリーレポート
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前回では・・・
やってみなはれ!金は出したる、俺たちが
失敗したらお前の取り分は無いし、俺たちの出資金もパーや
でも、成功したら山分けや~♪
・・・・これが株式投資の心意気だと申し上げました。
そんな心意気を反映した株式会社の基本構造は、下図のとおり、会社を設立し業務を遂行するために必要な資金を出す人々と、会社の業務を遂行する人々との分業体制になっています。業務を遂行する人々とは、ラクダのキャラバンを率いて砂漠を超えシルクロード貿易に行く人々や、船団を組織してアジア貿易を実行するため大海原に乗り出す船乗り達です。
もう少し現在の株式会社の実態に沿って詳しく解説すると・・・・
1. こういうビジネスをすれば儲かる、という考えを持つ起業家Aさんがいます
2. Aさん1人では会社を設立し業務を遂行するために必要な資金を賄えないのが通例です
3. そこでAさんは「儲かるビジネスアイディア」に賛同し出資してくれる人々(B、C、Dさん)を求め、「自分のビジネス・プラン」を説明しながら出資者を探します
4. A,B,C,Dさんは会社を設立して「こういうビジネスをする」という取り決めをし、この取り決めは株式会社では「定款」と呼ばれています
5. A,B,C,Dさんは会社の所有者ですので、一般的には会社の経営者に就任して役員会を開催し様々な事を決めます
ここで最も重要な事項は「日々の会社のビジネスを遂行する従業員(業務遂行者)」を雇入れて遂行させることです。そして日々の会社のビジネスを遂行する従業員のトップは、CEO(Chief Executive Officer=遂行部隊のトップという意味)と呼ばれています。
Aさん=代表取締役、B、C、Dさん=取締役、というイメージになり、AさんがCEOを兼務することが多いです。
このように、分業の妙を上手に活かしたのが株式会社の基本構造です。ビジネスの基本アイディアを出す、経営の根幹を決める、会社設立に必要なお金を出す、こういう人々が上図の青線で囲まれた部分に属する人々です。
巨大企業になると会社経営の重要事項は役員会(Boardなどと呼ばれます)で決まります。役員会のトップは会長(Chairman)です。そして役員会で決められたことを遂行するのがCEOを頂点とする遂行部隊という役割分担になります。
青線枠内の人々が決めたビジネス目標を達成するために日々の業務を遂行するのが橙色枠で囲まれた部分に属する人々です。CEO、業務執行役員、部長、課長、平社員、パート・バイトの人々が、業務遂行部隊に該当します。
つまり、株式会社の基本構造とは、「会社経営の重要事項の決定」と「日々のビジネスの遂行作業」は別の担当者がやっているという分業体制なのです。
さて、会社経営は儲かるビジネスで利益を極大化することです。経営者は業務遂行に関わるコストは必要最小限にしたいと考えます。しかし市場経済のマーケット・メカニズムが機能しているので余程のラッキーが無い限り、経営に必要な人、物、金は市場価格で調達するしかありません。つまりコスト部分は市場価値で支払うことになるのです。
優秀な人の年収(市場価格が存在します)が高いのは当然です。優秀な経営者は自分より高給を払ってでも優秀な業務執行のキーマンを雇うと言われますが、それは売り上げアップ・利益拡大のための必要経費と判断して雇っているのです。競争の厳しいビジネスにおいて「優秀な人材は最も限りある資源だ」ということは、企業経営者が最も強く認識しているのです。
売り上げからコストを支払って残った部分が利益です。利益は出資者&経営者で山分けし、ルールは出資者全体で決めます。この出資者全体で決める会議が株主総会です。株主は全員議決権を持っていますが、1株1票です。いくらで買ったかは関係ありません。今何株を所有しているかが重要になります。
さて、こういう株式会社が証券取引所に上場されており、日々株価が上下動しています。そのなかで株式投資をするのですが、、、、、、
それは次回の話
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