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春山昇華の豊健活教室

どうなる金利と株 リーマンショック後の30年を読む

第5回 利上げを正当化できる経済なのか?(自動車)

2019年01月11日

2015年12月からFRB(米連邦準備理事会)は米国政策金利(FF(フェデラル・ファンド)レート)の利上げを開始した。
前回(2004年6月~2006年6月)の利上げ局面に比べれば小刻みでゆっくりとしたペースだが、それでも市場は「実体経済は利上げに耐えられない」と懸念している。

米国政策金利(FFレート)の推移

現在の米国経済は利上げを正当化できるのだろうか?
米国経済の状況を確認するには、「自動車」、「住宅」、「雇用」の三点をチェックすることが重要だ。

一つ目のチェックとして「自動車」を見てみよう。「自動車」は新車自動車販売台数の状況を確認すればよい。そして、そのポイントは「道路の上を走る車の台数は変わらない」ということだ。

米国では多くの人にとって車は生活の足だ、生活必需品に近い。
つまり、景気が悪くなっても車は手放さないし、一方で景気が良くなっても追加購入はしない。

景気悪化で販売台数が減少するのは、新車への買い替えサイクルを先伸ばしする人が増えるからだ。3年ごとに買い替えていた人が4年~5年に延ばしてしまうと、販売台数が減少するのだ。

景気が回復して安心感が広がると買い替えサイクルは正常化する。
“正常化した状態”では米国の新車の年間販売台数はおよそ1,600~1,800万台の水準だ。人口が大幅に増加すれば水準が切りあがるが、最近の米国は移民の受け入れを厳しく制限しており、それも容易ではない。

景気がかなりよくなったら、高価な車に乗り換えることはあっても保有台数は増やさない。だから、新車販売台数は一定の水準で横ばいになる。

米国の新車販売台数の推移

足元の新車の年間販売台数を見てみると、1,700万台前後で推移している。新車への買い替えサイクルは正常であり、「自動車」の観点では米国経済に問題はなさそうだ。

今回のまとめ
景気悪化で新車販売台数が減少するのは、新車への買い替えサイクルを先伸ばしする人が増えるからだ。
景気が回復して安心感が広がると買い替えサイクルは正常化する。正常化した状態では米国の新車の年間販売台数はおよそ1,600~1,800万台だ。
足元の新車の年間販売台数は1,700万台前後と正常であり、米国経済は「自動車」という観点からは利上げを正当化できそうだ。

第6回「利上げを正当化できる経済なのか?(住宅)」は、1月18日(金)に掲載予定です。
米国経済の状況を確認するための「自動車」、「住宅」、「雇用」の三点のうち、「住宅」の観点では現在の利上げを正当化できるのだろうか・・・


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執筆者プロフィール

春山 昇華(はるやま しょうか)
1978年京都大学法学部卒。87年から英国・ロンドンにて株式と債券による国際分散投資に従事。オフショア登録ファンドでトップの成績を記録。帰国後は、国内系・外資系の投資顧問会社などで年金基金の運用に従事したのち、投信の立ち上げと内外株式のCIOなど多彩な活躍。
個人投資家による投資立国の必要性を感じ、投資知識の普及を目指して96年よりネットで情報を提供する。現在は個人投資家を対象に春山ゼミを主宰するとともに、企業向けのアドバイスも行っている。
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