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どうなる金利と株 リーマンショック後の30年を読む

第7回 利上げを正当化できる経済なのか?(雇用)

2019年01月25日

米国経済が利上げを正当化できるかに関して、前回と前々回で米国経済の状況を確認するためのポイントである「自動車」と「住宅」をそれぞれ分析してきた。今回は、最後の「雇用」だ。

米国の「雇用」は絶好調が続いている。
下掲グラフに示されているように、足元ではおよそ50年ぶりという絶好調を謳歌しているのが米国の労働者だ。
現在の失業率3.9%というのは、解雇したら同じレベルの労働者を同じ条件で採用するのは至難の業、解雇した労働者の10%あるいは20%などという割増賃金を払わなければ良質な労働者を採用できないという状況を意味している。

日本でも賃金の上昇にため息という雇用者の声が聞かれるが、それ以上に労働者優位の雇用情勢となっているのが米国なのだ。

米国の失業率と新規失業者数の推移

さらに、米国労働者の賃金の上昇傾向は続いているが、2018年10月には賃金上昇率(前年同期比)は3%を超えて、勢いを増している。それを受けて個人消費を示す小売売上高も拡大基調を継続している。

米国の賃金上昇率と小売売上高の推移

つまり、現状の雇用情勢は絶好調であり、FRBが利上げをストップする要因とはならないといえる。

今回のまとめ
「雇用」は絶好調である。賃金の上昇傾向が続き、消費も拡大基調だ。
米国経済は「雇用」という観点からは利上げを正当化できそうだ。

第8回「パウエルFRBの利上げの論理」は、2月1日(金)に掲載予定です。
パウエルFRB議長の利上げに対する考え方は、これまでとは異なる面がある。それに投資家は戸惑っているようだ・・・

  • 小売売上高:ジョンソン・レッドブック小売売上高指数。レッドブック・リサーチ社が毎週発表する、米国の小売売上高の推移を示す主要な経済指標のひとつ。
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執筆者プロフィール

春山 昇華(はるやま しょうか)
1978年京都大学法学部卒。87年から英国・ロンドンにて株式と債券による国際分散投資に従事。オフショア登録ファンドでトップの成績を記録。帰国後は、国内系・外資系の投資顧問会社などで年金基金の運用に従事したのち、投信の立ち上げと内外株式のCIOなど多彩な活躍。
個人投資家による投資立国の必要性を感じ、投資知識の普及を目指して96年よりネットで情報を提供する。現在は個人投資家を対象に春山ゼミを主宰するとともに、企業向けのアドバイスも行っている。
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