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春山昇華の豊健活教室

どうなる金利と株 リーマンショック後の30年を読む

第20回 金利のトレンドが変わるなら

2019年04月26日

1980年代前半から景気の上下動の波を乗り越えて2016年中盤まで下がり続けてきた世界の主要国の長期金利だが、ここ数年は下がらなくなった。
米国10年国債の利回りは、2016年7月の1.4%割れを大底にして、2018年には3%を超える局面もあった。米国10年国債利回り

約35年にわたった長期金利の低下の時代は終わり、上昇の時代が来るのだろうか?
この問いには、現状では予想がつかない、というのが多くの人の回答であろう。それは、1982年以降は景気が好転し、一時的に金利が上昇しても、長期の趨勢として金利は下がり続けてきたからだ。

インフレがトレンドになった1960年代後半の社会情勢を振り返ってみると、インフレが進んでいく背景が見える。
労働組合はインフレ率を上回る賃上げを求めた。経営者は、即刻賃上げを実現し、増大する人件費をまかなうために、商品やサービスの価格を引き上げた。
実質賃金の維持、利益率の維持のために、労働組合や経営者たちそれぞれが行動を起こした結果、インフレのトレンドを作り上げていったのだ。

インフレとなれば、金利も上昇すると考えるのが一般的だが、実際は違った。1980年代中盤以降の物価と長期金利の双方のチャートを眺めてみると、物価は1997年や2003年に大きく上昇する局面を迎えているが、長期金利は物価に必ずしも連動せず期を通じて低下していことが観察できる。米国10年国債利回りと米国消費者物価指数

つまり、物価が上がると長期金利が上がる、とは単純には言えなさそうだ。

では、今後の物価や金利を予想するには、どういうファクターを考慮したら良いのだろうか?
それらのファクターについては、次回から説明していく。

今回のまとめ
米国10年国債の利回りでは、2016年7月の1.4%割れを金利の大底にして、2018年には3%を超える局面を迎えた。
多くの人々は金利の上昇トレンドを予想するのは受け入れ難い。
インフレと長期金利は単純な連動ではなさそうだ。

第21回「中央銀行の金融政策と政治の衝突」は、5月10日(金)に掲載予定です。
政治家は自分の任期や再選を優先するが・・・

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執筆者プロフィール

春山 昇華(はるやま しょうか)
1978年京都大学法学部卒。87年から英国・ロンドンにて株式と債券による国際分散投資に従事。オフショア登録ファンドでトップの成績を記録。帰国後は、国内系・外資系の投資顧問会社などで年金基金の運用に従事したのち、投信の立ち上げと内外株式のCIOなど多彩な活躍。
個人投資家による投資立国の必要性を感じ、投資知識の普及を目指して96年よりネットで情報を提供する。現在は個人投資家を対象に春山ゼミを主宰するとともに、企業向けのアドバイスも行っている。
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