三井住友トラスト・アセットマネジメント
文字サイズ
三井住友トラスト・グループ

SMTAMの協働エンゲージメント

エンゲージメントは当社のスチュワードシップ活動の三つの柱の一つです。投資先企業とはもちろんのこと、官公庁、取引所、業界団体、NGO、アカデミアといった幅広いステークホルダーとも行います。当社単独の場合もあれば、考えを同じくする他の投資家と連携して行う場合もあります。また、投資家の裾野拡大に向けた活動も含みます。「エンゲージメント」のコーナーではそうした当社のエンゲージメント活動について幅広くご説明します。

社会課題の中には例えば気候変動問題のようにグローバルに共通するものがあります。そうしたものに対して垣根を越え、考えを同じくする投資家と連携して行う手法が協働エンゲージメントです。もちろん、グローバルベースのものに限らず、各地域・国内で活動するものもあります。当社は、この協働エンゲージメントを個別のエンゲージメントのサポートとして、協働での行動が投資家各社の個々の活動の総和を超える効果を発揮する可能性があるものとして、また当社の活動の高度化や効率化に資するものとして積極的に推進しています。参加の要否に当たっては、(1)当社のESGマテリアリティに沿っていること、(2)単独のエンゲージメントとの相乗効果が期待できること、(3)新たなノウハウを吸収できると期待できること、を判断材料とします。その協働エンゲージメントの器となるのが各種イニシアチブです。当社では上表にあるとおり2023年6月現在25のイニシアチブに参画、あるいは参加していますが、その全てが当社のESGマテリアリティに照らして体系的であり、かつ相互補完的な関係になることが重要であると考えており、その考えの下に対象を選択しています。

米国のイニシアチブであれば米国拠点と東京メンバー、欧州のイニシアチブであれば英国拠点と東京メンバーが協業して、また国内やアジア・豪州のものには主として東京メンバーが参画・参加し、各拠点での活動や情報は3拠点で共有します。その中で、効率的かつ効果的に企業とのエンゲージメントや政府関係者へのポリシーエンゲージメント、情報収集を行っています。例えば、当社が重視する気候変動問題においてはClimate Action 100+(CA100+、②)やThe Asia Investor Group on Climate Change(AIGCC、⑯)、Farm Animal Investment Risk & Return(FAIRR、⑤)、Ceres(⑭)、Carbon Disclosure Project(CDP、④)、The Investor Agenda(⑱)などのイニシアチブに参画・参加していますが、これにより企業への重層的なエンゲージメントや政策当局へのポリシーエンゲージメント、情報開示・分析の高度化などを体系的・一体的に推進することが可能となっています。

また、自然資本に関しては情報開示・分析に関係するTNFDフォーラム(⑩)やSPOTT(⑥)に加えてThe Investors Policy Dialogue on Deforestation(IPDD、⑪)やFinance Sector Deforestation Action(FSDA、⑫)、Nature Action 100(NA100、⑬)へと活動を広げることで、自然資本分野においての体系的・一体的な活動を強化しています。

イニシアチブにおける運営に積極的に関与していることも特徴です。例えば、IPDDにおいては活動を統括運営するマネジメント・コミッティのメンバー、International Corporate Governance Network(ICGN、⑰)においてはBoard of Governors(理事)、Net Zero Asset Managers initiative(NZAMI、⑲)においてはアドバイザリー・グループメンバー、30% Club Japanインベスターグループ(㉒)のチェア、ESG情報開示研究会(EDSG、㉑)の理事などに就任しています。

イニシアチブに参画することでESG課題や対応に関するグローバルな潮流を得られることも大きなメリットです。そうした情報を日本に還流することで当社スチュワードシップ活動全体の高度化を進めています。例えば、2022年に活動開始(署名は2021年)したFSDAは穀物生産のサプライチェーンにおける森林破壊防止を目的とする自然資本関連のイニシアチブです。森林保全に関する情報開示については海外が先行していますが、参加して得た知見を活用し国内における投資先企業とのエンゲージメントや情報提供に活用しています。

各種イニシアチブとの協業