当社は、「責任ある機関投資家」として、受託財産に関する議決権行使(以下、議決権行使)を重要なスチュワードシップ活動の一つと位置付け、議決権行使を通じて投資先企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことにより、顧客(受益者)の中長期的な投資リターンの最大化を図ることを、議決権行使の目的とします。基本方針は以下の通りです。
当社は、顧客(受益者)の利益を第一とする観点から、社内規程である利益相反管理規程、投資運用業務規則およびその他関連規程類に沿って、議決権行使に関して生じ得る利益相反について厳格な管理を行います。議決権行使においては、外部有識者を過半とした「スチュワードシップ活動諮問委員会」(以下、諮問委員会)を設置し、その答申を最大限尊重して、透明性の高い議決権行使を目指します。 議決権行使業務のプロセス概要は図表1の通りです。
2024年の議決権行使ガイドラインの主な改定内容は図表2の通りです。取締役会の構成、取締役の選任における議案に対する考え方に、長期的には複数の女性取締役の選任が必要でありそのためには社内人材の育成が必要であること、資本コストや株式市場における評価等を意識する必要があることを追加しました。
図表1:議決権行使業務のプロセス概要
①議決権行使ガイドラインに規定がなく、個別審議が必要な議案の行使判断
サステナビリティ委員会での個別審議を行い、諮問委員会の答申を得た後、スチュワードシップ推進部担当役員の決裁により決定
②個別議案の行使判断
議決権行使ガイドラインに則り行うが、形式的な判断だけでなくエンゲージメントの内容も踏まえて行使
(過去事例)
3期連続業績基準に抵触した企業や剰余金基準に抵触した企業等に対する例外基準適用の可否はエンゲージメントを踏まえて実施
③議決権行使結果の報告
サステナビリティ委員会、スチュワードシップ推進部担当役員およびスチュワードシップ活動諮問委員会に行う
④議決権行使ガイドライン改定案策定
行使結果や投資先企業との対話、世の中の潮流を踏まえて行う
(過去事例)
・ 議決権行使報告の際に、剰余金処分議案に対する基準の厳格化について諮問委員会からあった意見を反映
・ 投資先企業との対話を踏まえ、株式報酬の社外取締役への付与に関する例外基準を追加
・ スチュワードシップ・コードやコーポレートガバナンス・コード、東京証券取引所による企業への要請等があった場合において、必要と判断される内容をガイドライン改定に反映
⑤議決権行使ガイドラインの改定
サステナビリティ委員会の審議、諮問委員会の答申を得た後、スチュワードシップ推進部担当役員の決裁により行う
図表2:2024年の議決権行使ガイドラインの改定内容
当社は、投資先企業の状況やエンゲージメントの内容等を踏まえたうえで、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するかどうかを総合的に判断し議決権を行使します。
図表3:エンゲージメントを考慮した議決権行使判断の事例