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まず、地球温暖化の原因とされている温室効果ガス(GHG)*がどのような部門や国・地域から排出されているのか確認してみましょう。
部門別では、最大の排出部門はエネルギー供給部門で、排出量全体の約1/3を占めていま す。これは、発電などでの化石燃料の燃焼に伴うCO2排出が多いためです。次いで排出量が多いのは農林業・土地利用部門で、主な排出源は森林伐採や家畜などです。
出典:AR5 WG3 政策決定者向け要約Fig.SPM.2(環境省ホームページ)に基づき三井住友トラスト ・アセットマネジメントが作成
産業部門における排出源は企業の工場などが中心です。とりわけ生産工程で石炭が欠かせない鉄鋼やセメント、原油を主原料とする化学などは、排出量が多い代表的な産業です。建築物部門で一番大きな最終需要主体は家庭(住宅)ですが、企業(オフィス・商業施設など)も一定の割合を占めています。なお、産業部門や建築物部門については、直接排出量だけではなくエネルギー供給部門から供給された電力等を通じた間接排出量も相当量に上ります。輸送部門では多くを占める自動車のほか航空や船舶も一定の割合を占めています。
このように、温室効果ガス排出量のうちの相当部分は、エネルギー供給事業者を始めとする企業の事業活動や生産活動に伴って排出されており、排出量を大幅に削減するという目標を達成するためには、政策的な対応が求められることはもちろんですが、最終的には企業の取り組みに負うところが非常に大きいと言えます。
エネルギー起源の温室効果ガス排出量を国・地域別でみると、中国と米国で世界の排出量の4割程度を占めており、以下、EU(28カ国計)、インド、ロシア、日本の順になっています。環境対策や省エネ対応に早くから取り組んできた先進諸国に対して、環境対応よりも経済成長を優先せざるを得ず、特にコストが安い電力源として主に石炭を利用している新興国等の構成割合が、相対的に高めになっています。
出典:IEA CO2 EMISSIONS FROM FUEL COMBUSTION (2018 Edition)に基づき三井住友トラスト ・アセットマネジメントが作成
*温室効果ガス(GHG)とは、二酸化炭素(CO2)、メタン、フロン類など、地球温暖化の原因とされる温室効果が大きいガスの総称。
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