ウィークリーレポート・マンスリーレポート
印刷する場合はこちらをご利用ください。▶ PDF版を表示
お金と為替と信用の物語の連載で書いてきたことは・・・
1. 経済活動の成果物(農作物、海産物、肉)を自家消費したあとに生じる余剰物の交換から人類の交易(=交換経済)が始まった。
2. 経済活動の成果物とは交換可能な価値を持った商品である。
3. その価値を保存、交換、蓄積するために、自分たちの経済活動や生活圏内で共通に使えることができ、そして安くて簡単で安全で便利なツールを人類は求め続け、貨幣に到達した。
4. ツールに求められることは、将来にわたり他のモノとの交換性の保証、価値の安定、保存蓄積に場所やコストが不要、そして盗難されにくい、ということだ。
・・・・という事を中心に解説してきた
さて、2020年の今日、中国はデジタル人民元に積極的だ。中国は国境を接している近隣アジア諸国との交易発展を目指し、一帯一路政策を推進している。中国との国境地域では決済通貨として人民元が使われるが、こうした地域では預金口座を持たない人が多く、ましてや人民元口座など持っていない。それがゆえに、国境地帯の商人は現金取引しかできないので、常に偽札をつかまされるリスクを負っている。
そもそも交易の発展は人類の幸福の源泉であると考える。中国が金融覇権を狙っているという説もあるが、その交易で使われるデジタル人民元が、スマートフォンさえ持っていれば偽札のリスクから守られ、さらに安心して使える便利なツールであれば、アジア諸国の商人は喜んで受け入れる可能性が高いと春山は感じている。
これまで50回にわたって、金利にまつわる話、お金や為替に関する話を連載してきた「お金と為替と信用の物語」は本稿で終了です。
この秋11月からは、いよいよ株式に関する連載を始めたいと思います。新シリーズで触れる話題は多岐にわたり、様々な領域の項目がありますが、一つずつ煉瓦を積むように丁寧に解説したいと考えています。
投資の心構え、国際分散投資の仕方、個人投資家に適した個別銘柄の選び方、チャートの見方、株式の歴史や統計データに基づく分析、色々とありますので、ご期待ください!
※当資料は春山昇華氏の個人の見解であり、三井住友トラスト・アセットマネジメントの見解を示すものではありません。また、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。
※当資料の内容は掲載時点における市場環境やこれに関する春山昇華氏の見解や予測を示すものであり、春山昇華氏および三井住友トラスト・アセットマネジメントがその正確性、完全性を保証するものではありません。