ウィークリーレポート・マンスリーレポート
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投資の勉強の必要性は分かったけれども、初心者は何から始めたらよいのだろう?
あれを勉強して、これを習得して、なんだか大変な努力をしないとけないのかな?
投資の勉強って大変なことなのかな?
色々考えると「自分には無理かな・・・」と不安になります。
いえいえ、投資が上手になるための特別な能力は不要です。とは言え、投資が上手になりパフォーマンスを改善させるには順番があります。その順番に沿ってやれば成果を感じながら楽しく投資上手になれるのです。
初心者にとって投資パフォーマンスを改善させる最も効果のある第一歩は、 「負けの数を減らす=無駄な墓穴を掘る行為をやめる」です。何か新しいことをするのではなく、今やっていることの無駄を省くことです。
新しいことを習得するには手間暇がかかりますが、無駄な行為を省くことなら瞬時に可能です。それを無駄だと認識し、以後はやらないと決意する意思だけは必要ですが・・・
年間の投資パフォーマンスは、「年間の利益 - 年間の損失」で決まります。
損失を減らすことは利益を増やすことと同じ効果があります。いいえ、実は利益を増やすよりも効果は大きいのです。
損失は人間の心に突き刺さります。投資と心の世界の法則に関しては1980年代以降に広く賛同を得ている「行動心理学」によると、「1万円を得たときの喜び」と「1万円を紛失した時の悲しみ」は金銭的には損得同じ1万円ですが、精神的には損失のほうが数倍のダメージを人間の心に与える、と書かれています。
将来この連載でも書く予定としていますが、心の安定、平常心こそが最も重要な精神的ファクターです。そして投資における無駄な墓穴を掘る行為による金銭的な損失は、心の安定と平常心にダメージを与え、投資パフォーマンスを劣化させます。
つまり、「負けの数を減らす=無駄な墓穴を掘る行為をやめる」は、心の安定や平常心へのダメージを防止して投資パフォーマンスの向上に寄与するのです。
無駄な行為をやめることは、投資パフォーマンスを超えたもっと重要な事に好影響があります。
無駄な事をしないと時間の余裕が増えます。その時間で必要な調査・熟慮・勉強ができます。さらに大切なことだと春山は思うのですが、投資以外のことを実践する時間を増やせます。それが心を豊かにし人間の幅を広げます。そして時間の経過とともに「物事を判断する際の視点を増やし、様々な切り口で考えることができるようになる」という好循環を生み出すのです。
負けを減らすことができれば、次は勝ちを増やすフェイズに投資の勉強はステップアップします。勝幅を増やすことと勝つ回数を増やすことです。勝幅を増やすとは、少々上がっても我慢して売らないというメンタルコントロールの領域の課題です。
勝つ回数を増やすとは、投資先企業や参加する相場の局面を増やすことです。
また、戦場では複数の武器を使えるほうが有利です。刀も弓矢も槍も上手に使えるなら、様々な戦場で敵に打ち勝ち生き残れます。株式市場も変化し活躍する株も変化するので、上手に対応するには刀も弓矢も槍も持っていた方が有利ですが、刀も弓矢も槍もすべてが二流なら全ての局面で敗者になります。
初心者は最初の段階では刀も弓矢も槍もすべてが二流です。そのまま戦場に出れば全ての局面で敗者になります。まずは、自分の得意技を習得すべきです。具体的な内容は数カ月後に書こうと思います。
さて第1回から第6回までが、この連載のイントロダクションでした。
第7回からは具体的な話に移りたいと思います。
最初は・・・
それは次回の話
※当資料は春山昇華氏の個人の見解であり、三井住友トラスト・アセットマネジメントの見解を示すものではありません。また、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。
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