ウィークリーレポート・マンスリーレポート
印刷する場合はこちらをご利用ください。▶ PDF版を表示
こんにちは、コミックエッセイストのうだひろえです。
身近な事象から、頼りになる投資先として「未来のチカラ」を持つ企業を発見してきております、このコラム。
今回は、前回も取り上げた「再生可能エネルギー」、その中でもより身近な「太陽光発電」を取り上げていきたいと思います。
住宅街を散歩すれば、あっちにもこっちにも屋根に太陽光パネルが付いているお宅ばかり、たくさん見かけるようになりました。私の友人宅でも、家を建てる際に太陽光発電を設置、オール電化で光熱費が節約でき、余った電気は売電できちゃう、なんて話を聞いて、羨ましくて身悶えます。ここ数年、小・中学校の校舎の屋上にも設置されているのをよく見かけるようになりました。文部科学省の推進もあり、太陽光発電設備のある公立の小中学校は3割以上あるそうです。(参考:文部科学省HP・環境を考慮した学校施設(エコスクール)の整備推進)https://www.mext.go.jp/a_menu/shisetu/ecoschool/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/12/04/1296649_1.pdf
未来を担う子どもたちにとっても、最も身近な再生可能エネルギーとして、自分ごととしてエネルギー問題を考えるきっかけになってくれているようにも感じます。しかし、先の友人が言っておりましたが、そんなにいいことばかりではなく、特に設置後数年経ってからのメンテナンスコストがバカにならないとのこと。そもそも設置にも100万円以上かかると言われており、果たして光熱費節約の恩恵や売電での利益は本当にプラスになるのか、確実ではない部分もあります。
また近年問題になっているのが、太陽光発電が逆に環境問題を引き起こしてしまうという事例がいくつかあること。例えば、大規模な太陽光発電施設の確保のための森林伐採。確かに、山間部をドライブしていると突然出現する太陽光パネル、一瞬ギョッとします。また、山間部の傾斜地に設置することで、かえって土砂崩れを誘発するということも一部にあるようです。豪雨災害でパネルが崩れたシーンは衝撃的ですよね。豪雨、水没によって崩壊し、壊れてしまったパネルの廃棄もコスト掛かるのだろうな、なんて思っちゃいます。それでも太陽光発電は、既存の火力発電との比較で圧倒的に環境に優しいですし、メリットも多く、安定的な電力の供給を目指すためには必要不可欠な発電方法であることは確かです。
前回の風力発電でも見ましたが、再生可能エネルギーの重要なポイントである「発電効率」が、太陽光発電では規模の大小に左右されにくいのが特徴です。身近なところでは電卓やソーラーライトなどの小さなものでも、日射さえあれば使用できるのは最高のメリットでしょう。また、この「太陽さえあればどこでも発電できる」ことにより、送電設備のない遠隔地での電源として活用でき、また災害時などには貴重な非常用電源として使うことができます。(参考:経済産業省HP・資源エネルギー庁「太陽光発電」
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/solar/index.html
ならば、そのメリットはより伸ばし、デメリットである部分を解決する「未来のチカラ」があったら。
例えば、アメリカ・カリフォルニア州にある企業エンフェーズ・エナジー(Enphase Energy)は、太陽光パネル用のマイクロインバーター(出力の最適化や直流電流から交流電流への変換などを各パネルで実行するための装置)*1を製造する大手企業です。このマイクロインバーターを使用することによって、小規模かつパネル毎の管理が可能となり、発電効率が上昇したことで、従来よりも安定的に太陽光電力を供給することを可能にしています。これからコストの問題、廃棄の問題も、企業努力によって改良されていけば、より安定的にエネルギーを使えるようになる、と期待できます。
*1従来は、複数のパネルで発電した直流電流をまとめて交流電流に変換していましたが、各パネルにインバーターを内蔵することで分散制御が可能となり、一部のパネルの不具合が全体に及ぼす影響を軽減できるようになりました。
そのような企業を見つけ、投資を通して応援することで、こんな私でも、陰りつつあった未来のエネルギーに、光をあてることができるのではないか、そんな気持ちになれそうです。
さて、ここまで、「ロボ」「バイオ・メディカル」「eビジネス」、そして「エコ」と4つのテーマで見てきた「未来のチカラ」ですが、次回からは最後のテーマとなる、「宇宙」を覗かせてもらえたらと思います。もうそのテーマを聞くだけで、壮大な「未来のチカラ」を見られそうで、ワクワクします、楽しみです。次回もどうぞよろしくお願いいたします。
※当資料はうだひろえ氏の個人の見解であり、三井住友トラスト・
※当資料の内容は掲載時点における市場環境やこれに関するうだひ