ウィークリーレポート・マンスリーレポート
印刷する場合はこちらをご利用ください。▶ PDF版を表示
欧州では、男女平等というEUの基本理念や、2013年にEU域内の上場企業の社外取締役に占める女性割合を2020年までに40%に引き上げるEU指令案が採択されたことなどを背景に、一定比率以上の女性登用を義務付けるクオータ制を法制化する国もあり、女性の登用が進んできました(図表1)。
その中で、英国は多くのEU各国とは異なり、強制的な措置を導入せず、民間主導のアプローチで女性登用を進めてきた国として注目されます。英国では20 11年に政府が女性登用における障壁に関する調査をまとめた「デービス・レポート」が発表されました。その中では、英国の代表的な株式指数であるFTSE100 採用企業に対し、2015年までに女性取締役比率を25%以上とする目標と、その実現に向けた具体的な提言が含まれていました。英国政府はこの提言に基づき、会社法の改正(取締役、管理職の女性比率の情報開示の義務化)、コーポレートガバナンス・コードの改訂などの制度改革を行い、ダイバーシティに関する企業の情報開示の充実を求めました。同レポートは、女性登用を不平等の是正のためではなく、付加価値の創出や企業のレピュテーション(評判)への影響といった経済的観点から促しています。企業が女性取締役を受け入れ易くするお墨付きが得られたことに加え、情報開示充実要請にも後押しされる形で、英国では企業による自主的な登用が進み、2018年には女性役員比率30%を達成しています(図表2)。なお、2010年には企業のCEO自らが女性取締役比率の向上を目指すキャンペーンである「30%Club」も創設され、民間企業主導の女性登用の進展に役割を果たしています(当社も英国30%Clubのインベスター・グループに署名し、欧州でのダイバーシティ促進活動に参加しています)。
出典:Women on Boards 2020 Progress Report, MSCI ESG Research LLC, December 2020 Used with the permission of MSCI ESG Research(www.msci.com/esg-ratings)に基づき三井住友トラスト ・アセットマネジメントが作成
出典:30%Clubに基づき三井住友トラスト ・アセットマネジメントが作成
*1 当情報は、MSCI Inc及びMSCI ESG Research LLCの利用規約対象です。利用規約は、https://www.msci.com/terms-of-use、additional-terms-of-use-msci-esg-research-llcでご覧頂けます。当情報は、MSCIによる事前の書面での許可がない限り、資金調達(ESGリンクローン、クレジット商品、証券、ストラクチャードプロダクトを含む)、金融商品(パッシブファンド、インデックス・リンク・デリバティブ証券を含む)、サービス、ポートフォリオ管理、データ・インデックスの検証、デリバティブ組成、指数の作成(カスタム、その他)のいかなる目的への利用も認められておりません。
*2 英国の代表的な株式指数であるFTSE100を構成する企業100社ベース
次回は「日本の状況」、「当社の取り組み」を掲載予定です。
***************************************************************
※当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。
※当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。
※当資料では事例として特定の企業や銘柄に触れる場合がありますが、特定の有価証券への投資を推奨するものではなく、また当社ファンドが当該有価証券に投資することを保証するものではありません。上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。