ウィークリーレポート・マンスリーレポート
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日本においても、女性の管理職の育成や取締役への登用に取り組む企業は徐々に増えてきていますが、国際比較では、日本企業の取り組みは依然として大きく遅れています(図表3)。世界経済フォーラムによるジェンダー・ギャップ指数の調査においても、2021年の日本のランキングは156ヶ国中120位と低迷が続きました(前年は153ヶ国中121位)。日本は先進国でありながら指数を構成する4分野のうち「経済」分野においても117位と低い順位にとどまっていますが、この背景としては、民間企業における女性のシニアリーダー層への登用の遅れ、男女間での平均賃金ギャップが大きいことが指摘されています。
また、日本における女性取締役は社外取締役としての選任に偏っており、執行役員や管理職層における社内の取締役候補者の育成が進んでおらず、候補者プールが小さいという現状を映している面もあります。
出典:Women on Boards 2020 Progress Report, MSCI ESG Research LLC, December 2020 Used with the permission of MSCI ESG Research(www.msci.com/esg-ratings)に基づき三井住友トラスト ・アセットマネジメントが作成
*1 当情報は、MSCI Inc及びMSCI ESG Research LLCの利用規約対象です。利用規約は、https://www.msci.com/terms-of-use、additional-terms-of-use-msci-esg-research-llcでご覧頂けます。当情報は、MSCIによる事前の書面での許可がない限り、資金調達(ESGリンクローン、クレジット商品、証券、ストラクチャードプロダクトを含む)、金融商品(パッシブファンド、インデックス・リンク・デリバティブ証券を含む)、サービス、ポートフォリオ管理、データ・インデックスの検証、デリバティブ組成、指数の作成(カスタム、その他)のいかなる目的への利用も認められておりません。
「女性=家事・育児の担い手」を前提としてきた税制・雇用制度や世間の風潮、男性中心に形成されてきた企業の中間管理職や経営層における無意識で根深い偏見、これらが女性の継続的な勤務や昇進の妨げとなり、女性取締役の候補者プールの薄さにつながっています。最近では、女性のワークライフバランスをサポートする企業も増えてきましたが、女性社員の育児負担等を過度に配慮するあまり、女性のスキル獲得や昇進機会を奪う結果を招いてしまうこともあるようです。これら諸問題を解決するためには、制度面の整備だけではなく役職員全体での意識変革を含めた取り組みが求められます。
経営トップの強い意志の下で行われる、単なる制度整備にとどまらない意識改革や働き方改革は、ジェンダー問題を超えて意欲ある全ての社員が働きやすい職場環境を創出し、少子化に伴う労働人口の減少が進展する中でも優秀な人材を獲得できる企業競争力につながります。特に、取締役や執行役員の候補者プールである管理職層における多様性の底上げは、将来に向けたボード・ダイバーシティの実現を目指すために、直ちに取り組まなくてはならない課題です。
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