ウィークリーレポート・マンスリーレポート
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企業も社会を構成する重要な一員です。経済のグローバル化の進展に伴って企業活動が社会にもたらす影響に関心が集まるようになり、企業に対しても人権尊重に関して責任ある行動を求める声が高まっています。1976年に経済協力開発機構(OECD)は行動指針参加国の多国籍企業に対して、企業に対して期待される責任ある行動を自主的にとるように求める「OECD多国籍企業行動指針」を策定しました。また、1977年には国際労働機関(ILO)が「多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言」を採択し、雇用、訓練、労働条件・生活条件、労使関係等の分野に関して多国籍企業、政府、使用者団体及び労働者団体に対してガイドラインを提供するなど、企業活動を取り巻くグローバルな枠組みを構築する動きが高まりました。
国連グローバル・コンパクト10原則
(出所)グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン資料を基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
1999年の世界経済フォーラムにおいて国連のアナン事務総長は「国連グローバル・コンパクト」を提唱し、各企業・団体が責任ある創造的なリーダーシップを発揮することによって、4分野(人権、労働、環境、腐敗防止)10原則を遵守し、実践するように要請しました。すなわち、国連グローバル・コンパクトは各企業・団体が責任ある創造的なリーダーシップを発揮することによって、社会の良き一員として行動し、持続可能な成長を実現するための自発的な取り組みです。2011年には国連事務総長特別代表ジョン・ラギー氏が「ビジネスと人権に関する指導原則」を策定し人権理事会に提出、関連の決議において支持されました。同原則では①国家は人権を保護する義務がある、②企業は人権を尊重する責任がある、③人権侵害の被害者は救済措置を受ける権利がある、という3つの柱が示されました。日本においてもこの指導原則を取り込む形で、2020年に「ビジネスと人権に関する行動計画」が策定され、グローバルな枠組み作りに対応する動きとなっています。
サプライチェーンにおける主な人権リスク
(出所)三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
企業にとっては、ビジネスにおける人権の尊重に積極的に取り組むことによって国内外のサプライチェーンにおける人権リスクを回避することができるとともに、人権対応に関する評価向上は企業ブランド価値の向上や優秀な人材確保、従業員のモチベーション向上を通じた持続的成長に寄与することが期待できます。持続可能な開発目標(SDGs)の達成と人権の保護・促進は表裏一体の関係であると考えられており、企業がSDGsに取り組む上でも人権の尊重が重要となっています。当社は日本版スチュワードシップ・コードに賛同する「責任ある機関投資家」として、また2006年に国連責任投資原則(PRI)が発足した時からの署名機関として、企業とのエンゲージメントを通じたESG課題の解決を促すことによる企業及び社会全体の持続的成長、サステナビリティの実現を目指しています。具体的には、当社は12のESGテーマでトップダウン型のエンゲージメントを推進するなかで、「人権」を重要なテーマの一つとして位置づけ、積極的に国内外の企業との対話を進めています。2022年には、PRIの人権に関する協働ワーキンググループに参加しグローバルベースでの活動を強化しています。
SMTAMのトップダウン型エンゲージメントESG12テーマ
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