ウィークリーレポート・マンスリーレポート
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投資を始めようと思った瞬間、ほとんどの人は「何を買おうか?」と考えます。
何を買おうと思った瞬間から、人間の精神構造として「早く買わなければ相場が上がってしまうのではないか」と焦りの心理状態になります。
この時にお勧めしない事(=「第6回:初心者の第一目標は負けの数を減らすこと」で述べた「やってはいけないこと」に該当します)があります。
【参考リンク】https://www.smtam.jp/report_column/detail/cat_11/01656/
1:何をしている企業かは知らないけど、雑誌やネットで見つけた人気銘柄やお勧め銘柄を10銘柄購入する
2:どれが良いのかわからないので、時価総額の上位15銘柄を購入する
雑誌やネットに掲載される人気銘柄やお勧め銘柄ですが、既に大幅に上がっている銘柄を掲載する場合がほとんどです。そういう銘柄じゃないと読者が注目してくれないからです。
人間は上がっている銘柄に対しては「もっと上がるだろうという根拠なき期待感」を抱き、それを購入&保有することに安心感を抱く傾向があります。一方、下落中の銘柄や低迷している銘柄に対しては「もっと下がるだろうという根拠なき失望感」を抱き、それを購入&保有することに不安感を抱くものです。
雑誌は売れなければビジネスになれません。ネット記事は読んでもらう数(Page View)で収入が決まります。だから上記のような人間の性格に従って記事を書くのは正しいビジネス判断なのです。換言すれば、投資家目線ではないのです。
また投資は売らなければ利益の確定ができません。そして、いつ売るかはいつ買うか以上に重要な判断項目です。しかし、雑誌やネットの99%は売りについては書きません。「いつ売ったらよいか」の情報が得られないことに依存してポートフォリオを構築してはいけないのです。
時価総額の上位15銘柄を購入する人の気持ちは、「上位15銘柄を買えばインデックスと同じ動きをするだろう」という期待感です。しかし、インデックスに投資したいのであれば、より正確にインデックスをトレースするETFを買うことをお勧めします。
春山が初心者にお勧めする方法は以下の通りです。
1:最初は日中米のETFを購入します。毎月等金額を日中米のETFに投資をしながら、もっと儲かる個別銘柄を探します。(下図:第一段階)
2:そして見つかったら、ETFを一定金額キャッシュ化して有望な個別銘柄にお金をシフトします。(下図:第二段階)
毎月等金額を日中米のETFへ投資を継続することで、この部分で年率8%を確保できます(下図参照)。その詳細は「第4回 努力なしで得られるパフォーマンスは何%ですか?」をお読み下さい。
【参考リンク】https://www.smtam.jp/report_column/detail/cat_11/01625/
有望な銘柄が見つからなかったら無理せずにETF投資を継続します。1年に1銘柄見つける、というペースで十分だと春山は考えています。
3:その後に2個目の有望銘柄を見つけたら、またETFを一定金額キャッシュ化して有望な個別銘柄にお金をシフトします。(下図:第三段階)
4:そういう作業を数年間継続しながら、下図の第四段階、第五段階と徐々に進めていくのです。
全額を個別株にする必要はありません。自信ができるまでは、8%のパフォーマンスが期待できるETF部分を一定割合維持したほうが心の安定が得られます。
そして徐々に経験を積みながら、個別株の割合を増やせば良いと思います。
その株を何故買ったのですか? それに対する回答は・・・
それは次回の話
※当資料は春山昇華氏の個人の見解であり、三井住友トラスト・アセットマネジメントの見解を示すものではありません。また、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。
※当資料の内容は掲載時点における市場環境やこれに関する春山昇華氏の見解や予測を示すものであり、春山昇華氏および三井住友トラスト・アセットマネジメントがその正確性、完全性を保証するものではありません。
※当資料では事例として特定の企業や銘柄に触れる場合がありますが、特定の有価証券への投資を推奨するものではなく、また当社ファンドが当該有価証券に投資することを保証するものではありません。上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。